農業について考える

農業の現在と将来について

有機農法

Posted by agriculture On 5 月 - 28 - 2009

「有機農法」とは、化学肥料や農薬を極力使用せずに作物を自然と調和した状態で栽培していこうという方法です。
例えば堆肥などの有機質肥料によって土を元気にして、病気や害虫に負けない作物が育つようにしようとするのです。

この有機農法で最初に必要になるのが苗を育てる土を作ることです。無化学肥料、無農薬の倍土を作ることにより、丈夫で元気な野菜が育つのです。市販のものは化学肥料が含まれています。

雑草については、一般的には除草剤などの農薬を使うところを、アイガモを放って除草したりします。
また敷き藁や紙などで覆うことで雑草を抑えることができます。消毒剤の代わりに木炭が使われたりもします。

有機農法にはこれ以外にもいろんな方法があり、多品種を栽培することにより生物多様性の保全を試みたり、物理的な崩壊から保護する、家畜を屋外で飼育するなどいろんな方法があります。
これらの中から農業者がそれぞれのやり方を選択して個々の有機農法を確立させていくのです。

有機農法は従来の農法に比べて大変手間がかかります。
規模を拡大することは難しく、さらにコストも通常の農法よりも高くかかってしまいます。
しかし最近では、産地偽装や遺伝子組み換えなど食の安全性に不安を感じる消費者は有機食品への関心を高めています。

有機食品の品質を法律で保証するために、JAS(日本農林規格;Japanese Agricultural Standard)法も改正されました。
また政府も有機農法の推進に関する方針を定め、技術開発、普及活動、研修の導入、消費者への情報発信を行うようになりました。

農業法人とは?

Posted by agriculture On 5 月 - 8 - 2009

最近話題を集めているのが「農業法人」と呼ばれるものです。
農業法人とは、法人組織として農業を経営することで農業法人には、「農事組合法人」と「会社法人」があります。
更に農業法人は農地権利取得の有無により、「一般農業法人」か「農業生産法人」と区別されます。

農業生産法人は、農業を行うために農地を取得できる法人のことで、農業者などが中心となって組織で農業を行います。
法人の主な事業は当然のことながら、農業か農業関連の事業でなくてはならず、構成者は農業者で役員の過半数は農業に常時従事する人でなければなりません。常時従事者とは具体的には60日以上農作業を行う人です。

農業生産法人には、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社、農事組合法人があります。
法人化する場合は、これらの種類の中から自分が目指す形のものを選ぶ必要がありますが、養鶏、養豚、ハウス栽培など農地を使用しない場合は、上記の条件を満たす必要はありません。

法人化のメリットは、事業として記帳義務などが発生するため具体的に家計と切り離して経営を考えることができることです。
経営を適正に把握し、効率化を図ることもできます。

また法人になった場合、銀行などの金融機関から融資が受けやすくなります。
代表者の変更による信用度の変動も小さくなり、安定した資金繰りが期待でき、融資額も大きくなります。
個人経営よりも法人化したほうが、大型機械導入など、経営規模も拡大しやすくなり、事業の発展の可能性が高くなります。

ただし、法人化するにはある程度の利益を見込めることが必要となります。法人化を検討する場合は、地域の農業委員会やJAなどに相談してみましょう。

畜産農家

Posted by agriculture On 4 月 - 19 - 2009

「畜産」とは、牛、馬、豚、羊、山羊、兎、鶏、アヒルなどの家畜を食用、衣類用、作業用として飼養することです。

畜産の種類としては、乳牛飼養は牛乳や乳製品を作る「酪農」、豚肉生産のためのブタ飼養は「養豚」といい飼育されたブタはほとんどが食用の豚肉として売られます。
ニワトリの卵を得るため、また鶏肉生産のためのニワトリ飼養は養鶏といいます。
牛肉生産のためのウシ飼養は肉用牛飼養といいます。この牛肉として売る農家のことを肥育農家といいます。
また母牛を飼育して交配させその子牛を売る農家のことを繁殖農家といいます。

畜産はその育て方により放牧、遊牧、舎飼いに分けられます。
放牧は、広い草のある大地に家畜を放ち飼料や自然の草を自由に食べさせるものです。
遊牧は、一年中おいしい草を求めて、草のある場所を転々と移動して食べさせるものです。
舎飼いは、畜舎の中で飼料を与えて管理して育てる方法です。

家畜の飼養では、作物栽培よりも土地や気候の影響は少ないのですが、ウシそれぞれの個体差が大きいため、精神的にも配慮して育てなければなりません。こうした理由から、酪農や肉用牛の経営は家族経営のところが多いです。
牧場などで多くのウシを育てる場合は、放牧させて管理しなければならずさらには飼料も栽培しなければなりません。

それに比べて養豚や養鶏は、配合飼料を与えるだけの単純作業なので、家族経営ではなく大規模経営しているところが多いようです。

地産地消

Posted by agriculture On 4 月 - 1 - 2009

「地産地消」とは、地域生産地域消化の略を標語化したものです。
地域で収穫した農産物をその地域で消化するという意味で、一般的には同一県内で生産・消費されるものを地産地消としています。

普及活動としては、一般の人が地元の農産物を購入できるように地場農産物を提供する直売所の設置を行います。
最近の例としては「道の駅」などに農産物直売所が多く設置されています。

デパートやスーパーなどで、地場農産物コーナーの設置、特売イベントなどでの販売もしています。
また近頃では地場農産物を活用した学校給食が提供されるようになりました。
消費者や生産者と試食会などをして意見交換会などをすることも大切な活動です。

地産地消のメリットとしては、身近でとれた新鮮なものを美味しく食べられること、輸送コストの軽減などがあります。
直接生産者から話を聞くこともできるし、顔もみられるので食材への安心感も高まります。

反対に生産者側からは、消費者のニーズがわかるため何を作ればいいのかわかり、生産者の労働意欲へもつながります。
卸業者に出荷するような大量の食材でなくても、少しの数から生産・販売できることもメリットです。

輸送コストの軽減に加え、二酸化炭素(CO2)排出削減にもつながるため環境にもやさしいとされます。
また流通過程が短いため、産地偽装がされにくいこともメリットとして挙げられるでしょう。

逆に地産地消のデメリットとしては、地元で生産できるものには限りがあるということです。
気候や風土によって栽培できる作物とできないものがあること、さらに安定供給を続けることができるのかも問題のひとつであると思います。

売れ残った場合の処分方法、品質の管理など管理上の問題点もあります。
しかしながら、地産地消が有益であることは間違いなく、地域の連帯感を強め、地場産業の活性化につながります。

大豆

Posted by agriculture On 3 月 - 11 - 2009

大豆は栄養価たっぷりの作物で、日本の食生活に欠かせない食材です。
豆腐、味噌、醤油、納豆、煮豆など古くから庶民の味として親しまれてきました。
国内産大豆を守ろうと、国は「大豆交付金」として助成金も出しています。この助成金は良品質大豆の生産拡大を目的とし、事前に定められた銘柄共通の一定単価による助成となっています。

大豆の国内自給率は、食用に限れば2割強です。
輸入大豆の主な輸入先は、アメリカ、ブラジル、カナダ、中国となっており、豆腐用として使われるのは、主にアメリカの大豆です。

大豆はたんぱく質、炭水化物、脂質、水分、ビタミン等を多く含んでいますが、国産大豆と外国産大豆の成分の違いで顕著なのは、国産大豆はたんぱく質が多いということです。それに対して外国産大豆は脂質の含有量が多くなっています。

国産大豆の主要品種は、フクユタカ、エンレイ、タチナガハ、リュウホウ、スズユタカなどです。
これらの品種は豆腐や煮豆用として利用されます。

大豆の生産は全国27道県に渡って行われており、大豆生産県として収穫量が多いのは、北海道、宮城、秋田、福岡、佐賀、栃木、茨城などです。

大豆生産に積極的に力を入れているところほど、農家の生産意欲があり技術もあるので単収を多く得られます。
しかしながら大豆の単収は低く、豊作と凶作の変動が激しいことから安定した収入を得ることは難しいようです。

大豆生産は機械化が進んでいないため、かなりの重労働で、そのため政府は生産者の労働意欲が高まるように、交付金制度を導入しているのです。そしてこれからの大豆の安定供給のために、生産者の育成、機械化による生産性の向上、品質向上などを目指しています。

農業委員会とは?

Posted by agriculture On 2 月 - 22 - 2009

「農業委員会」とは市町村に置かれる行政委員会で、原則的に各市町村に1つずつ置く事となっています。
地方行政に農民の意見を反映させることを目的として設置されており、自作農の維持、農地利用調整、農地に関する事務などを行っています。

農業委員の選挙は公職選挙法に基づいて市区町村の選挙管理委員会の管理によって行われます。
このため農業委員の身分は特別職の地方公務員となっています。

農業委員会の上位組織として、都道府県農業会議、全国農業会議所があります。
農業委員会とあわせてこの3つで「農業委員会系統組織」を構成しており、系統組織を通じて、農業者や地元の声を集約し、農地・構造・経営対策を積極的に進め、農業の発展、さらには社会経済の発展を目指しています。

農業委員会の業務としては、農地の権利移動の許認可、農地転用業務、農地関係の資金や税制に関する行政処理を行っています。
また農業者の年金に関しても専属的な権限として行っており、農業の発展のために農業者の育成なども行っています。
農業者の代表として行政に建議したり、地域の農業者に関係する情報を公開したりするのも大事な役割です。

原則として、農地は農家要件を満たさないと所有権移転できません。
簡単に農地を宅地などへ地目変更することは許されていません。日本の大事な食糧を作っている農地を守るために、農業委員会が厳しく統制しています。農業委員会はこのようにして、農地に関する業務を全般的に行っている組織なのです。

小麦の生産

Posted by agriculture On 2 月 - 3 - 2009

農作物で「お米」に次ぐものといえば、「小麦」でしょう。
小麦は世界で最も生産量の多い穀物なのですが、日本でもかなりの需要があります。

昔から日本政府は米作りを奨励し、補助金で手厚く保護してきたため、小麦作りは盛んになりませんでした。
日本でよく利用されるパンやスパゲティに使用される小麦は、日本で作るには気候が適していないということも理由のひとつです。
そのため現在、日本の小麦はほぼ輸入に頼っているというのが現状です。

また小麦は日本国内で唯一、価格統制があるもので、価格統制とは政府が上限価格、下限価格を設定するものです。

日本のおもな小麦の輸入先はアメリカ、カナダ、オーストラリアとなっており、こうした海外から小麦を輸入して、日本国内の工場で小麦粉を作っています。

こうして作られた小麦粉はパンやうどん、中華麺、菓子、スパゲティなどの原料となります。
小麦の輸入には、輸入関税と納付金がかかります。これは日本の生産農家を保護するためです。

小麦の輸入価格は収穫量に左右されますが、ここ数年、小麦は不作でそのため価格が高騰し、小麦粉を使用して作られるパンや焼きそばなども価格上昇しています。

これらの小麦の価格高騰の原因は、収穫量の減少だけではなく、世界的な小麦の需要が多くなっていること。
原油価格の高騰や2007年から日本政府の小麦売渡価格が値上げされていることも要因にあげられます。

日本の国産小麦は現在1割程度です。

お米の生産

Posted by agriculture On 1 月 - 16 - 2009

「農業」と聞いてまず思い浮かぶのは「お米」ではないでしょうか。
お米は日本人にとっては欠かせないものですが、その作り方というと分からない事も多いと思います。

お米作りは春から秋にかけて、田おこし・種洗い・種まき・田植え・稲刈りの順に作業が行われます。
田おこしとは、冬から春にかけて3回ほど行われるのですが、田んぼの土を掘り起こして表土と下層をまぜ返し、古い稲株を土中にすき込んでいくことです。

種洗いは、3月~4月にかけて種もみを選び、4月中旬くらいから種もみをまきます。
苗を育てる田んぼのことを「苗代」と呼び、昔はこの苗代に種をまき、苗を育てていました。
今は温かいビニールハウスの中で種まきをして苗を育てます。

4月~5月温かくなったらいよいよ田植えです。
種まき後、約1ヶ月で田植えができるようになり、育てた苗を田んぼに植えます。
今は田植機で植えるので人手が少なくてもできますが、昔は近所総動員で人の手だけで田植えをしていました。

田植え後は、雑草取りや水の管理、肥料やり、害虫駆除や台風への対処など多くの仕事があります。
雑草は、昔は人の手でひとつひとつ取られていましたが、一時期農薬なども使用されていました。現代では、農薬を使わずにできる「アイガモ農法」が注目されています。アイガモを田んぼの水で飼うと田んぼの土をかきまわし、雑草や虫を食べてくれるのです。

10月は収穫時期です。
天気と相談して稲刈りの時期を決めますが、今ではコンバインで稲刈りから脱穀まで出来てしまいます。

収穫後、稲はすぐに乾燥機にかけ、籾取りをして玄米の状態で袋に入れて保存します。
今では乾燥、籾取り、袋詰めまで全て機械が行います。このようにして、おいしいお米ができるのです。

農地管理

Posted by agriculture On 12 月 - 28 - 2008

家が農家で農地を相続するけれども、農業を続けていく気になれない・・・農地を相続したけれども、どうしたらいいのか。
農業をやめていく農家が後を絶たず、現代の離農問題は深刻さを増しています。担い手の高齢化、耕作放棄地などの遊休農地の増加など、使わなくなった農地の管理は大きな問題となっています。

農地は管理せずに放って置くとたちまち荒地になってしまいます。雑木や雑草が生い茂り、土砂が堆積され害虫も発生、また産業廃棄物の不法投棄が行われたりと多くの関連問題が発生します。

日本の食糧自給率UPのためにも、遊休農地の有効活用は緊急課題となっています。

遊休農地を放置しておくと、法的指導を受けます。まずは農業委員会から農業用地として有効利用するように指導されますが、それでも効果が無ければ市町村の首長から通知がきます。

市町村長の通知に従わないと30万円以下の罰金に処せられますが、それでもだめな場合は、市町村によって買い入れ協議が行われることになります。

農地を放置することなく、有効利用してもらえるような方法を探してみてはいかがでしょうか。
他の利用者、農業の担い手を探す、あるいは市民農園として他人に貸出するなど管理方法を考えてみましょう。

農地売買する場合は、農地法に基ずいた法律上の申請が必要となります。
農地を遺産相続として相続する場合は農地法上の売買契約とは異なりますので、農地法上の許可はいりません。(事業承継に基づく相続税法の控除適用などが関係してきます。)
売買に関してあるいは利用者を探したい場合は、農業委員会に相談するといいでしょう。

農業とは

Posted by agriculture On 12 月 - 8 - 2008

「農業」とは、農地として土地を持ち、作物や植物を栽培・収穫し出荷するまでをいいます。
また家畜を育て乳製品や皮や肉を得て食料などを生産する産業も農業に含まれます。つまり、人が生きていくうえで必要な食を生産する、人の根本の衣食住に密接に関係する産業なのです。

農業を営む人を農民、農業を生業とする世帯を農家と呼びます。
農作物を栽培する場合、日照、雨、気温など自然環境に左右される要素が多いため不安定な面があります。収穫量の大きさによって収入が変動しますので、一般のサラリーマンや給与所得者に比べると生活が不安定な面があります。
安定した収穫・収入を得るためには長年の知識と経験が必要な仕事なのです。

また需要と供給の兼ね合い、つまり市場価格の変動も作用するため、安定した収入を得るというのはなかなか難しいものがあります。

また家畜を飼育する畜産では、出荷商品の市場価格の変動に加え、家畜を育成するための餌の高騰など負担が増えています。
その上、朝早くから一日中世話をするため大変重労働です。

日本で多くみられるコメの生産についても、若者の米離れでコメの需要が減少傾向にあり、離農する農家が増えています。

加えて現代の日本の農業が抱える問題として、農業従事者の高齢化問題が深刻です。
若者が農業をつがずに、田舎から都心へ出て行ってしまうので後継者がいないのです。

いまや自給率が低くなる一方で、安い輸入加工品に頼る日本の食卓事情・・・自給自足で自立できる国づくりが望まれます。